平田町戸内の藤林寺では、8月16日(昭和56年までは旧暦の7月16日)にヤーサイと呼ばれる珍しい行事が行われている。 藤林寺は一条房家の菩提寺で境内には墓がある。この祭りは一条時代からのもので由緒ある祭りである。
当日の夕方になると本堂で住層と役員とで無縁仏を祭る施餓鬼を行い、房家の墓へお参りする。同時に竹まわしの行事も始まる。 村人たちは自分で切ってきた竹を立てて土俵の周りに集まる。その先頭には太鼓たたきと、茄子・不老(豆科のささげ)・新殻などをつけた小さな竹を持つ音頭とりが居る。 音頭とりの音頭で村人たちは土俵の周りを7回まわって停止する。
それを3回くり返して竹まわしは終わる。それから盆踊り、やぐらまわしがあり、その後は夜明け近くまで夜相撲が奉納される。この祭りは平田では、近在の老若男女の一大娯楽、あるいは社交の場でもある。 昭和38年宿毛市の無形民俗文化財に指定。