○宿毛市文化財保護条例

昭和54年7月20日

条例第8号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法の規定による指定を受けた文化財及び高知県文化財保護条例(昭和36年高知県条例第1号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、宿毛市の区域内に存するもののうち重要なものについてその保存及び活用のため必要な措置を図り、もって市民の文化の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で住民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)

(4) 貝塚、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、湖沼、海浜、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 宿毛市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 市保護有形文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、市の区域内に存する有形文化財のうち重要なものを宿毛市保護有形文化財(以下「市保護有形文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定により指定をする場合には、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

3 第1項の規定により指定をする場合には、教育委員会は、あらかじめ宿毛市社会教育審議会の意見を聴かなければならない。

4 第1項の規定により指定したときは、その旨を告示するとともに、当該市保護有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に指定書を交付しなければならない。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示のあった日からその効力を生ずる。

(解除)

第5条 教育委員会は、市保護有形文化財が市保護有形文化財としての価値を失った場合その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 前項の規定による指定の解除は、前条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 市保護有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定及び県条例第4条第1項の規定による県保護有形文化財の指定があったとき、又は市保護有形文化財が市の区域内に存しなくなった場合は、当該市保護有形文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は速やかにその旨を告示するとともに、当該市保護有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

5 第2項の規定において準用する前条第4項の規定による市保護有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき、又は前項の規定による通知を受けたときは、所有者及び権原に基づく占有者は、速やかに市保護有形文化財の指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者等の管理義務)

第6条 市保護有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者は、この条例並びにこれに基づく宿毛市教育委員会規則(以下「委員会規則」という。)及び教育委員会の指示に従い、市保護有形文化財を管理しなければならない。

(管理団体による管理)

第7条 市保護有形文化財につき、所有者が判明しない場合又は所有者若しくは権原に基づく占有者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、教育委員会は適当な団体その他の法人(以下「管理団体」という。)を指定して、当該市保護有形文化財の保存のため必要な管理を行わせることができる。

2 前項の規定による指定をする場合には、教育委員会はあらかじめ当該市保護有形文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者並びに指定しようとする管理団体の同意を得なければならない。

3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、前項に規定する所有者、権原に基づく占有者及び管理団体に通知して行う。

4 第1項の規定による指定には、第4条第5項の規定を準用する。

5 市保護有形文化財の所有者又は権原に基づく占有者は、正当な事由がなくして第1項の規定による指定を受けた管理団体が行う管理のための必要な措置を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。

6 管理団体には、前条の規定を準用する。

第8条 前条第1項に規定する事由が消滅した場合その他特別の事由があるときは、教育委員会は、管理団体の指定を解除することができる。

2 前項の規定による解除には、第5条第2項の規定を準用する。

第9条 管理団体が行う管理に要する費用は、この条例に特別の定めがある場合を除いて、管理団体の負担とすることができる。

2 前項の規定は、管理団体と市保護有形文化財の所有者との協議により、管理団体が行う管理により当該所有者の受ける利益の限度内において、管理に要する費用の一部を当該所有者の負担とすることを妨げるものではない。

(所在の変更)

第10条 市保護有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、市保護有形文化財の所有者(管理団体がある場合は、その者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、委員会規則の定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りる。

(所有者等の変更)

第11条 市保護有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 市保護有形文化財の所有者又は管理団体は、その氏名若しくは名称又は住所若しくは事務所の所在地を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、損傷等)

第12条 市保護有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは損傷し、又はこれを亡失し、若しくは盗みとられたときは、市保護有形文化財の所有者(管理団体がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(管理又は修理の補助等)

第13条 市保護有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、市保護有形文化財の所有者又は管理団体がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者又は管理団体に対し補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合は、市長は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示することができる。

3 教育委員会は、必要があると認めるときは、第1項の補助金を交付する市保護有形文化財の管理又は修理について指揮監督することができる。

(補助金の返還等)

第14条 市長は、前条第1項の規定による補助金の交付を受け、又は受けようとする者が、次の各号のいずれかに該当すると認める場合には、当該補助金の全部若しくは一部の返還を命じ、又はその交付を取り消すものとする。

(1) 管理又は修理に関し、この条例又は委員会規則に違反したとき

(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき

(3) 前条第2項の指示又は同条第3項の指揮監督に従わなかったとき

(管理又は修理に関する勧告)

第15条 市保護有形文化財の管理が適当でないため、市保護有形文化財が滅失し、損傷し、又は盗みとられるおそれがあると認められるとき、あるいは市保護有形文化財が損傷している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、市保護有形文化財の所有者又は管理団体に対し管理方法の改善、保存施設の設置その他の管理又は修理に関し、必要な措置を勧告することができる。

2 前項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、その全部又は一部を市の負担とすることができる。

3 前項の規定により市が費用の全部又は一部を負担する場合には、第13条第3項及び前条の規定を準用する。

(有償譲渡の場合の納付金)

第16条 市が管理又は修理に関し必要な措置(以下この条において「修理等」という。)につき第13条第1項の規定により補助金を交付し、又は前条第3項の規定により費用を負担した市保護有形文化財のその当時の所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者(以下この条において「所有者等」という。)は、補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該市保護有形文化財を有償で宿毛市外へ譲り渡した場合においては、当該補助金又は負担金の額から、当該修理等が行われた後、当該市保護有形文化財の修理等のため自己の費した金額を控除して得た金額を、市に納付しなければならない。

2 前項に規定する「当該補助金又は負担金の額」とは、補助金又は負担金の額を補助又は費用負担に係る修理等を施した市保護有形文化財又はその部分につき教育委員会が個別に定める耐用年数で除して得た金額に、更に当該耐用年数から修理等を行った時以後当該市保護有形文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(1年に満たない部分のあるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。

3 補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該市保護有形文化財が所有者等の責に帰することのできない事由により著しくその価値を減じた場合には、市長は、納付金額の全部又は一部を免除することができる。

(現状変更等の制限)

第17条 市保護有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、委員会規則で定める範囲の維持の措置をする場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、前項の規定により許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

3 第1項の規定による許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(修理の届出等)

第18条 市保護有形文化財を修理しようとするときは、市保護有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は管理団体は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第13条第1項の規定による補助金の交付、第15条第2項の規定による勧告、又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、市保護有形文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の規定による届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。

(公開)

第19条 教育委員会は、市保護有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は管理団体に対し、期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため、当該市保護有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、市保護有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は管理団体に対し、期間を限って当該市保護有形文化財の公開を勧告することができる。

3 第1項の規定による出品のために要する費用及び前項の規定による公開のために要する費用は、その全部又は一部を市の負担とすることができる。

4 教育委員会は、第1項の規定により市保護有形文化財が出品されたときは、その期間職員のうちから当該市保護有形文化財の管理の責めに任ずべき者を定めなければならない。

5 教育委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る市保護有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。

6 第1項又は第2項の規定により出品し、又は公開したことに起因して当該市保護有形文化財が滅失し、又は損傷したときは、市はその所有者に対し、通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者又は管理団体の責に帰すべき事由によって滅失し、又は損傷した場合は、この限りでない。

第20条 市保護有形文化財の所在の場所を変更してこれを公衆の観覧に供するため(前条第2項の規定による公開の場合を除く。)第10条の規定による届出があった場合には、前条第5項の規定を準用する。

(報告)

第21条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市保護有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は管理団体から当該市保護有形文化財の現状若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(所有者変更に伴う権利義務の承継等)

第22条 市保護有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市保護有形文化財に関し、この条例に基づく勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継するものとする。

2 市保護有形文化財の所有者が変更したときは、旧所有者は、市保護有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

3 管理団体が指定され、又はその指定が解除された場合には、第1項の規定を準用する。ただし、管理団体が指定された場合には、専ら所有者に属すべき権利義務については、この限りでない。

第3章 市保護無形文化財

(指定)

第23条 教育委員会は、市の区域内に存する無形文化財のうち重要なものを宿毛市保護無形文化財(以下「市保護無形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たっては、当該市保護無形文化財の保持者又は保持団体(市保護無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても当該市保護無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

4 教育委員会は、第1項の規定による指定又は前2項の規定による認定をするには、あらかじめ、宿毛市社会教育審議会の意見を聴かなければならない。

5 第1項の規定による指定並びに第2項及び第3項の規定による認定は、その旨を告示するとともに、当該市保護無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするものに通知して行う。

(解除)

第24条 教育委員会は、市保護無形文化財が市保護無形文化財としての価値を失った場合その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 教育委員会は、市保護無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合、その他特別の事由があるときは、当該保持者又は保持団体の認定を解除することができる。

3 第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除は、その旨を告示するとともに、当該市保護無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知して行う。

4 第1項の規定による指定の解除又は第2項の規定による認定の解除には、前条第4項の規定を準用する。

5 市保護無形文化財について法第56条の3第1項の規定による重要無形文化財の指定及び県条例第20条第1項の規定による県保護無形文化財の指定があったときは、当該市保護無形文化財の指定は、解除されたものとする。

6 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市保護無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた代表者に通知しなければならない。

7 市保護無形文化財の保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、市保護無形文化財の保持者のすべてが死亡したとき又は保持団体のすべてが解散したときは、当該市保護無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第25条 市保護無形文化財の保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他委員会規則の定める事由があるときは、当該保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。

(保存)

第26条 教育委員会は、市保護無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市保護無形文化財について、自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のために適当な措置を執ることができるものとし、市は、市保護無形文化財の保持者、保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の全部若しくは一部を補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第13条第2項及び第3項並びに第14条の規定を準用する。

(公開)

第27条 教育委員会は、市保護無形文化財の保持者又は保持団体に対し、市保護無形文化財の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による市保護無形文化財の公開には、第19条第3項及び第5項の規定を準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第28条 教育委員会は、市保護無形文化財の保持者、保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(市保護無形文化財以外の無形文化財に対する補助)

第29条 教育委員会は、市保護無形文化財以外の無形文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、市は、適当な者に対し、当該無形文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に関する経費の一部を補助することができる。

2 前項の規定による選択をする場合には、第23条第4項の規定を、補助金を交付する場合には、第13条第2項及び第3項並びに第14条の規定を準用する。

第4章 市保護民俗文化財

(指定)

第30条 教育委員会は、市の区域内に存する有形の民俗文化財のうち重要なものを宿毛市保護有形民俗文化財(以下「市保護有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財のうち重要なものを宿毛市保護無形民俗文化財(以下「市保護無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定による市保護有形民俗文化財の指定には、第4条第2項から第5項までの規定を準用する。

3 第1項の規定による市保護無形民俗文化財の指定には、第23条第4項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市保護有形民俗文化財及び市保護無形民俗文化財の指定は、その旨を告示して行う。

(解除)

第31条 教育委員会は、市保護有形民俗文化財又は市保護無形民俗文化財が市保護有形民俗文化財又は市保護無形民俗文化財としての価値を失った場合、その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 市保護有形民俗文化財又は市保護無形民俗文化財について、法第56条の10第1項の規定による重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財の指定及び県条例第26条第1項の規定による県保護有形民俗文化財又は県保護無形民俗文化財の指定があったときは、当該市保護有形民俗文化財又は市保護無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

3 第1項の規定による市保護有形民俗文化財の指定の解除には、第5条第2項及び第5項の規定を、前項の規定による市保護有形民俗文化財の指定の解除には、同条第4項及び第5項の規定を準用する。

4 第1項の規定による市保護無形民俗文化財の指定の解除には、第24条第4項の規定を準用する。

5 第1項及び第2項の規定による市保護無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示しなければならない。

(現状変更の届出)

第32条 市保護有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 市保護有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な事項を指示することができる。

(準用規定)

第33条 市保護有形民俗文化財の保護には、第6条から第16条まで及び第18条から第22条までの規定を準用する。

2 市保護無形民俗文化財の保存には、第26条から第28条までの規定を準用する。

3 市保護無形民俗文化財以外の無形民俗文化財の保存には、第29条の規定を準用する。

第5章 市史跡名勝天然記念物

(指定)

第34条 教育委員会は、市の区域内に存する記念物のうち重要なものを史跡、名勝又は天然記念物(以下「市史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定には、第4条第3項から第5項までの規定を準用する。

3 前項において準用する第4条第4項の規定により、通知すべき相手方が著しく多数で個別に通知し難い事情があるとき、又は市史跡名勝天然記念物の所有者及び権原に基づく占有者が判明しないときは、教育委員会は告示をもって同条同項の規定による通知に代えることができる。この場合においては、その告示の日から2週間を経過した時に同条同項の規定による通知が相手方に到達したものとみなす。

(解除)

第35条 教育委員会は、市史跡名勝天然記念物が市史跡名勝天然記念物としての価値を失った場合その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 市史跡名勝天然記念物について、法第69条第1項の規定による史跡、名勝又は天然記念物の指定及び県条例第30条第1項の規定による県史跡名勝天然記念物の指定があったときは、当該市史跡名勝天然記念物の指定は解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除には、第5条第2項及び前条第3項の規定を、前項の規定による指定の解除には、第5条第4項及び前条第3項の規定を準用する。

(現状変更等の制限)

第36条 市史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、委員会規則で定める範囲の維持の措置を執る場合はこの限りでない。

2 前項の規定により教育委員会が許可を与える場合には、第17条第3項の規定を、前項の教育委員会の許可を受けたものがその許可の条件に従わなかった場合には、同条第4項の規定を準用する。

(指定団体による管理)

第37条 教育委員会は、市史跡名勝天然記念物につき、所有者がないか若しくは判明しない場合又は所有者若しくは権原に基づく占有者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、適当な管理団体その他の法人を指定して当該市史跡名勝天然記念物の保存のため必要な管理を行わせることができる。

2 教育委員会は、前項の規定により指定をする場合には、あらかじめ当該指定をしようとする者の同意を得なければならない。

3 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該市史跡名勝天然記念物の所有者及び権原に基づく占有者並びに指定しようとする者に通知して行う。

4 第1項の規定による指定には、第4条第5項及び第34条第3項の規定を準用する。

第38条 教育委員会は、前条第1項に規定する事由が消滅した場合その他特別の事由があるときは、同項の規定による指定を解除することができる。

2 前項の規定による解除には、第4条第5項第34条第3項及び前条第3項の規定を準用する。

第39条 第37条第1項の規定による管理団体は、委員会規則の定める基準により、市史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置することができる。

2 市史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、指定団体は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

3 指定団体が市史跡名勝天然記念物の復旧をしようとするときは、あらかじめその復旧の方法及び時期について当該市史跡名勝天然記念物の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者の意見を聴かなければならない。

4 指定団体の市史跡名勝天然記念物の管理については、前3項に規定するもののほか、第6条第9条第11条第2項第12条から第15条まで及び第21条の規定を、指定団体が指定され、又はその指定が解除された場合には、第22条第3項の規定を準用する。

5 市史跡名勝天然記念物の所有者又は権原に基づく占有者は、正当な理由なくして指定団体が行う市史跡名勝天然記念物の管理を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。

(所有者等による管理)

第40条 指定団体がある場合を除いて、市史跡名勝天然記念物の所有者及び権原に基づく占有者は、この条例並びにこれに基づく委員会規則及び教育委員会の指示に従い、市史跡名勝天然記念物を管理しなければならない。

(準用規定)

第41条 市史跡名勝天然記念物について所有者が行う管理には、第11条から第16条まで、第18条第21条並びに第39条第1項及び第2項の規定を、所有者が変更した場合の権利義務の承継には第22条第1項の規定を準用する。

第6章 市選定保存技術

(選定等)

第42条 教育委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもののうち保存の措置を講ずる必要があるものを宿毛市選定保存技術(以下「市選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定により選定をするに当たっては、当該市選定保存技術の保持者又は保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 市選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第1項の規定による選定及び前2項の規定による認定には、第23条第3項から第5項までの規定を準用する。

(解除)

第43条 教育委員会は、市選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特別の事由があるときは、その選定を解除することができる。

2 教育委員会は、市選定保存技術の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められる場合その他特別の事由があるときは、当該保持者又は保存団体の認定を解除することができる。

3 第1項の規定による選定の解除又は前項の規定による認定の解除には、第23条第4項及び第24条第3項の規定を準用する。

4 市選定保存技術について法第83条の7第1項の規定による選定保存技術の選定及び県条例第38条第1項の規定による県選定保存技術の選定があったときは、当該市選定保存技術の選定は解除されたものとする。

5 前項の場合には、第24条第6項の規定を準用する。

6 前条第2項の規定による認定が保持者のみについてなされた場合にあっては、そのすべてが死亡したとき、同項の規定による認定が保存団体のみについてなされた場合にあっては、そのすべてが解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)又は同項の規定による認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあっては保持者のすべてが死亡し、かつ、保存団体のすべてが解散したときは、市選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第44条 市選定保存技術の保持者及び保存団体の氏名変更等には、第25条の規定を準用する。

(保存)

第45条 教育委員会は、市選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、市選定保存技術について自ら記録を作成し、又は伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、市選定保存技術の保持者、保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を補助することができる。

2 前項の規定により補助金を交付する場合には、第13条第2項及び第3項並びに第14条の規定を準用する。

(保存に関する指導又は助言)

第46条 教育委員会は、市選定保存技術の保持者、保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。

第7章 宿毛市社会教育審議会

(諮問)

第47条 教育委員会は、文化財の保存及び活用に関する重要事項について、宿毛市社会教育審議会条例(平成18年宿毛市条例第60号)に規定する宿毛市社会教育審議会に必要な事項を諮問することができる。

第48条から第52条まで 削除

第8章 罰則

第53条 市保護有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。

第54条 市史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。

第55条 第17条又は第36条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、市保護有形文化財若しくは市史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、1万円以下の罰金又は科料に処する。

第9章 雑則

(委任)

第56条 この条例の施行について必要な事項は、委員会規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の宿毛市文化財保護条例(以下「旧条例」という。)第6条第1項の規定により指定されている市保護有形文化財は、この条例による改正後の宿毛市文化財保護条例(以下「新条例」という。)第4条第1項の規定により指定された市保護有形文化財とみなす。

3 この条例の施行の際現に着手している市保護有形文化財の保存に影響を及ぼす行為については、新条例第17条第1項の規定は、適用しない。

4 この条例の施行の際現に旧条例第6条第1項により指定されている市保護民俗資料は、新条例第30条第1項の規定により指定された市保護有形民俗文化財とみなす。

5 この条例の施行の際現に着手している市保護民俗資料の保存に影響を及ぼす行為については、新条例第32条第1項の規定は、適用しない。

6 この条例の施行の際現に旧条例第6条第1項により指定されている市保護記念物は、新条例第34条第1項の規定により指定されたものとみなす。

(平成18年12月20日条例第67号)

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

宿毛市文化財保護条例

昭和54年7月20日 条例第8号

(平成19年4月1日施行)

体系情報
第7編 育/第5章 文化財
沿革情報
昭和54年7月20日 条例第8号
平成18年12月20日 条例第67号