宿毛市立宿毛歴史館

白ペン黒ペン

その1 山奈の奥には、八色鳥(やいろちょう)まつわる物語が残されています。

昔、おにが駄馬に一人のおじいさんが住んでいました。
お百姓をしながら、平和な毎日を送っていました。仕事のあいまに、愛犬の白ペン黒ペンをつれて山猟に出かけるのが、 おじいさんの楽しみでした。おにが駄馬から山を越した一生原(いっちゅうばら)や、おもの川はたくさんの木がおいしげって、獲物もたくさんすんでいました。

ある日のことでした。いつもの様に、白ペン黒ペンをつれて山越しをしていました。 途中に大きな松の木がたおれていました。おじいさんはやっこらさとその松の木をまたいで通りました。



その2 しばらく行っても、白ペン黒ペンがやって来ません。
みちくさでもくっているのだろうと思って、二匹の名を呼びながら引き返して来ました。

松の木のたおれていた所まで帰って来ると、大変なことが起こっていました。
おじいさんのまたいだのは、松の木ではなかったのです。

実は大きな蛇の胴体だったのです。

白ペン黒ペンはそれを知って、なんとか大蛇をやっつけようと格闘になっていたのです。



その3 大蛇の、のどもとにかみつこうとする犬、長い胴体をくねらせて、白ペン黒ペンを巻きしめようとする大蛇、 どちらも必死でたたかっていました。

おじいさんは、大蛇を鉄砲でうってやろうとしましたが、両方の動きがはげしくて、おもう様にうちかけることができません。

とうとう白ペン黒ペンが大蛇に負けました。大蛇に巻かれて、骨をくだかれてしまったのです。
おじいさんは、静かに大蛇の頭に鉄砲を向けて、引きがねをひきました。 のたうちまわっていた大蛇は、そのうち息をひきとりました。



その4 おじいさんは、一人ぼっちでお家に帰って来ました。

ところが、おじいさんのお家に変なことが起こりました。
なんだか正体の判らないあやしいものが、お家の様子をうかがうのです。生き残っている大蛇の夫婦のどちらかが、やってくるのでは なかろうか、ということになりました。

おじいさんは、一生原の奥の水のきれいな谷川のほとりに、うち殺した大蛇をおまつりしました。あやしい姿が、おじいさんの お家をうかがうこともなくまりました。



その5 それからというもの、一生原や、おもの川の山々では、白ペン黒ペンと鳴く美しい小鳥の姿が見られるようになりました。 二匹の犬は、八色鳥(やいろちょう)になって、おじいさんに会いに来るのだと言われました。
ですから、八色鳥は白ペン黒ペンという名で呼ばれるのです。山里には、いつもの様な平和なあけくれが続きました。

※八色鳥について
南の国とこれらの山々をいききして暮らす鳥です。高知県の県鳥になっています。



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