宿毛市史【近代、現代編-中央で活躍した人々-坂本嘉治馬】

坂 本 嘉治馬(1866〜1938)

出版業。慶応2年3月22日染物業喜八の長男として宿毛村坂ノ下に生まれる。明治17年郷土の先輩酒井融をたよって上京、小野梓に師事し小野の経営する東洋館書店に入る。梓の死後小野義真の援助で冨山房を創業、長年の努力と研究の結果、各種の辞典、専門書、教科書、雑誌等多くを出版し名実共に大出版会社となる。大日本家庭百科辞典、大日本国語辞典、大言海、国民百科辞典、大日本地名辞書等は冨山房の出版物として多くの人々に利用されている。
また、嘉治馬は公共心に富み、種々の慈善事業に浄財を投じたが、特に郷里宿毛町の発展に関心を持ち、育英資金(坂本報効会奨学資金)を出し、図書館を造り図書の寄贈を行ない地方文化の向上に尽した。
氏の美徳に対し坂本図書館前に頑徳碑が建立されている。昭和13年8月23日没、73才、昭和11年には緑綬褒章を受けた。
なお嘉治馬の没後嗣子守正氏は父の遺志をつぎ、嘉治馬の所有していた(元小野十三郎邸跡)七百一坪と坂本図書館施設のいっさいを旧宿毛町に寄贈し、第二次大戦中、金参拾万円を寄贈して宿毛中学校(現高知県立宿毛高等学校)を設立した。守正氏の景慕の碑が宿毛市中央公民館前と宿毛高等学校に建立されている。

坂本 嘉治馬
坂本 嘉治馬