宿毛市史【近代、現代編-水産業-漁業に対する施策】

漁業権

明治34年漁業法が公布され、これに基づいて高知県では明治39年大部分の漁業権が認可され、漁業の取り締りと保護を行なった。
漁業権には専用漁業権と定置漁業権、区画漁業権があり、専用漁業権には特に本県沿岸全域を含む高知県特有の大専用漁業権(大正5年免許)が専用漁業権の外にあった。この漁業権により漁場の位置、漁業の種類、漁獲物の種類、漁期が指定された。
宿毛市関係の地先専用漁業権、定置漁業権、特別漁業権、区画漁業権はつぎのとおりである。
   専用漁業権
漁業権者 免許番号 漁場位置 漁業種類 漁獲物種類 漁 期
弘瀬漁業会 120 沖の島町
弘瀬の地先
ムロ八田網漁業 ムロ  6・1〜 9・30
磯建網漁業 イセエビ
イソウオ
 1・1〜12・31
テングサ漁業 テングサ  3・1〜 8・31
フノリ漁業 フノリ  2・1〜 6・30
ノリ漁業 ノリ 11・1〜 3・31
トコブシ漁業 トコブシ  1・1〜12・31
キビナゴ刺網漁業 キビナゴ  5・1〜 8・31
イソウオ刈込網漁業 アカムロ・クロイオ
イサギ・ハゲ・クチミ
ネイリ・イガミ
 3・1〜 9・30
5753 姫島地先 磯建網漁業 イソウオ  1・1〜12・31
キビナゴ磯建網漁業 キビナゴ  4・1〜 7・31
トコブシ漁業 トコブシ  1・1〜12・31
テングサ漁業 テングサ  3・1〜 8・31
フノリ漁業 フノリ  2・1〜 6・30
アマノリ漁業 アマノリ 12・1〜 3・31
沖の島漁業会 57 母島地先 ムロ八田網漁業 ムロ  6・1〜 9・30
磯建網漁業 イセエビ 磯魚  1・1〜12・31
テングサ漁業 テングサ  3・1〜 8・31
フノリ漁業 フノリ  2・1〜 6・30
ノリ漁業 ノリ(メノリ) 11・1〜 3・31
オキチノリ漁業 オキチノリ  3・1〜7・31
トコブシ漁業 トコブシ(ナガレコ)  1・1〜12・31
アワビ漁業 アワビ  1・1〜12・31
サザエ漁業 サザエ  1・1〜12・31
4艘張網漁業 ムロ・カマス・磯魚  3・1〜12・31
キビナゴ刺網漁業 キビナゴ  1・1〜12・31
鉾突漁業 磯魚  1・1〜12・31
117 鵜来島のうち
鵜来島地先
ムロ八田網漁業 ムロ  6・1〜 9・30
磯建網漁業 イソウオ  1・1〜12・31
テングサ漁業 テングサ  3・1〜 8・21
フノリ漁業 フノリ  2・1〜 6・30
ノリ漁業 ノリ(メノリ) 11・1〜 3・31
トコブシ漁業 トコブシ(ナガレコ)  1・1〜12・31
磯魚狩込網漁業 イソウオ  3・1〜 9・30
キビナゴ刺網漁業 キビナゴ  2・1〜 8・31
磯魚籠漁業 イソウオ  1・1〜12・31
イセエビ漁業 イセエビ  1・1〜12・31
5775 鵜来島地先 磯建網漁業 イソウオ  1・1〜12・31
キビナゴ刺網漁業 キビナゴ  4・1〜 8・31
磯魚狩込網漁業 イソウオ  2・1〜10・31
カマス狩込網漁業 カマス  7・1〜10・31
イセエビ漁業 イセエビ  1・1〜12・31
トコブシ漁業 トコブシ  1・1〜12・31
テングサ漁業 テングサ  2・1〜8・31
フノリ漁業 フノリ  2・1〜 6・30
アマノリ漁業 アマノリ 11・1〜 3・31
小筑紫漁業会 5906 小筑紫村地先 ハツ地曳網漁業 ハツ  1・1〜12・31
イワシ地曳網漁業 イワシ  1・1〜12・31
イワシ船曳網漁業 イワシ  1・1〜12・31
コノシロ刺網漁業 コノシロ 11・1〜4・30
キビナゴ刺網漁業 キビナゴ  4・1〜 7・31
カマス打網漁業 カマス  4・1〜12・31
ハリメ打網漁業 ハリメ  4・1〜11・30
モイカ打網漁業 モイカ  3・1〜 5・31
磯建網漁業 イソウオ  1・1〜12・31
鉾突漁業 イソウオ  1・1〜12・31
イセエビ漁業 イセエビ  1・1〜12・31
ハマグリ漁業 ハマグリ  1・1〜12・31
カキ漁業 カキ  1・1〜12・31
トコブシ漁業 トコブシ  1・1〜12・31
シンジュガイ漁業 シンジュガイ  1・1〜12・31
テングサ漁業 テングサ  3・1〜 8・31
フノリ漁業 フノリ  2・1〜 6・30
アオサ漁業 アオサ 11・1〜 4・30
アマノリ漁業 アマノリ  1・1〜4・30
カイニンソウ漁業 カイニンソウ  1・1〜12・31
メザコ漁業 メザコ  1・1〜 6・30
宿毛漁業会 5905 宿毛町地先 イワシ地曳網漁業 イワシ・キビナゴ  1・1〜12・31
イワシ船曳網漁業 イワシ  1・1〜12・31
磯建網漁業 イソウオ  1・1〜12・31
コノシロ狩刺網漁業 コノシロ 10・1〜 4・30
コノシロ追込網漁業 コノシロ 10・1〜 4・30
イセエビ漁業 イセエビ  1・1〜12・31
トコブシ漁業 トコブシ  1・1〜12・31
カキ漁業 カキ  1・1〜12・31
ハマグリ漁業 ハマグリ  1・1〜12・31
ニナ漁業 ニナ  1・1〜12・31
ニシ漁業 ニシ  1・1〜12・31
テングサ漁業 テングサ  3・1〜 8・31
フノリ漁業 フノリ  3・1〜10・31
カイニンソウ漁業 カイニンソウ  1・1〜12・31
アオノリ漁業 アオノリ 10・1〜 4・31
アオサ漁業 アオサ 10・1〜 4・31
オゴノリ漁業 オゴノリ  1・1〜 6・30
メザコ漁業 メザコ  1・1〜 6・30
アマノリ漁業 アマノリ 11・1〜 4・30
ヒジキ漁業 ヒジキ  1・1〜 5・31

   定置漁業権(旧漁業権)
漁業権者 経営者 免許番号 漁場位置 漁業種類 漁獲物の種類 漁 期 級別
弘瀬漁業会 小川芳男 1826 弘瀬 平ハエ沖 メジカ大敷 メジカ  6・1〜9・30
弘瀬漁業会 小川芳男 1827 弘瀬 小島沖 鰤落網 ブリ カツオ  1・1〜5・31
沖の島漁業会 島原又雄 2523 鵜来島港口北側 鰮大敷 イワシ 周 年
沖の島漁業会 島原又雄 2534 母島古谷野前 鰮大敷 イワシ 周 年
小筑紫村漁業会 住岡 章 2006 奥内村 芳ノ沢
 ヒバリ小島前
鮪落網 マグロ、カツオ、ヨコ
ネイリ、シマアジ
11・1〜8・31

   特別漁業権(旧漁業権)
漁業権者 漁  業  種  類
柏島漁業会 ボラ敷網(3)キビナゴ地曳網、ブリ飼付、カマス敷網、ムロ敷網(3)
奥内漁業会 キビナゴ地曳網(3)ボラ敷網(3)築瀬、コノシロ地曳網、イワシ地曳網
           ※上表は宿毛湾関係のものであるが、宿毛市にはなし。

   区画漁業権(旧漁業権)
漁業権者 免許番号 漁 業 位 置 漁業種類 魚 種 魚期
宿毛漁業会 54 大深浦地先水面 カキ建養殖 カ  キ  1・1〜12・31
86 片島波打鼻地先水面 カキ建養殖 カ  キ  1・1〜12・31
87  仝  上     〃 仝  上 仝  上  1・1〜12・31
102 大島丸島南前  〃 真 珠 養 殖 シンジュガイ  1・1〜12・31
103 大島馬取前漁場 〃 仝  上 仝  上  1・1〜12・31
106 ひょうたん島前  〃 仝  上 仝  上  1・1〜12・31

新漁業権の設定と更新
旧漁業権は昭和26年8月31日をもって一切消滅し、新漁業法により海区漁業調整委員会の答申に基づいて26年9月1日に免許されたが、旧漁業権の専用、特別両漁業権は共同漁業権として統一され、共同漁業権、区画漁業権、定置漁業権となった。
これらの漁業権はつぎのとおりである。
     共同漁業権(26・9〜38・8)第1次設定
所有漁協 第1種 第2種 第3種 備  考
竜ヶ迫
小筑紫
    
小筑紫町   
宿毛町   
弘  瀬 第3種(2)28年7月免許
第3種(1)34年3月免許
母  島 第3種(1)34年3月免許
鵜来島  
宿毛町
小筑紫町
 
15 26  
※第1種
   貝類、海藻類、イセエビ
第2種
   建網、刺網、敷網
   小型定置網等
第3種
   築網、飼付、曳網等

     定置漁業権(宿毛市関係)26・9・1〜31・8・31  第1次設定
免許年月 漁業種類 主な漁獲物 漁業期間 漁業権者 漁場名
昭26・9 マグロ定置 マグロ、メジカ、スマ  1・1〜12・31 小筑紫漁協 ひばり小島沖
昭26・9 ブリ定置 ブ    リ 11・1〜 7・31 小川芳男 ぼ ろ 鼻 前

     区画漁業権(宿毛市関係)26・9・1〜31・8・31  第1次設定
漁業権者 漁業種類 権数 免 許 期 間
宿毛漁協 カキ養殖 昭26・11〜31・8
小筑紫漁協 真珠母貝養殖 〃26・ 9〜31・8
仝   上 カキ養殖 〃26・ 9〜31・8
北村 久吉 真珠養殖 〃26・ 9〜31・8
仝   上 仝   上 〃26・11〜31・8
宿毛漁協 真珠母貝養殖 〃26・ 9〜31・8
共同漁業権の免許は昭和38年9月と48年9月に更新され、定置漁業権と区画漁業権は31年9月、38年9月、43年9月、48年9月に更新され現在に至っているが、定置漁業権者は不漁のためだんだん減少し、区画漁業権者は反対に増えている。区画漁業権で気の付くことは、真珠養殖は新漁業権が設定されてからだんだんと増え、31年9月には宿毛市で5であったのが35年11月には10となり、それより数がだんだん減少していることである。
それと平行して母貝養殖が急増し、43年9月には宿毛市、大月町の宿毛湾海区で県全体の85%、102権に達した。母貝養殖のうち39は種苗、稚貝養殖が主として宿毛湾で行なわれた。しかし42年頃よりの真珠の輸出不振による値下りと、湾内の環境老化のため急激に減少し、現在ではわずかしか行なわれていない。
魚類養殖区画漁業権は33年2月に須崎市浦ノ内湾に設定されたのが初まりで、宿毛市にも広がり、38年8月末現在で権数が6であったのが、43年9月には17となっており、県全体で69の内宿毛湾で30となっている。その他に宿毛市でアオサ5、カキ2がある。

内水面漁集権
昭和26年9月内水面漁業調整規則ができ県内各河川に漁業権が認められることになり、松田川漁業協同組合が共同漁業権の免許を受け、38年9月、48年9月に免許の更新があった。10年毎に更新することになっている。松田川漁業協同組合の免許されているものは第一種(アオサ、アオノリ)第五種(アユ、ウナギなど)であるが、48年9月には第一種区画漁業権も免許されている。