宿毛市史【近代、現代編-民政-保健】

昭和時代の病院・診療所

昭和時代になると多くの医院が誕生し、更に終戦後は病院・診療所が続々と建てられ現在の活況を呈しているのであるが、その概略は次の通りである。
  県立宿毛病院
前述のように大正14年創立の宿毛病院がその前身で、戦時中日本医療団宿毛病院(院長泥谷俊壯)となり、昭和23年5月1日県立宿毛病院となった。(初代院長泥谷俊壯。内科、外科、小児科、婦人科、耳鼻科、70ベッド)昭和28年6月与市明に新築工事が完成して移転、引き続いて第2病棟、第3病棟、伝染病棟が完成、昭和45年12月1日幡西地域保健医療センターを併設、49年4月30日、鉄筋コンクリート地上5階の改築工事が完成して現在に至っている。

旧県立宿毛病院 県立宿毛病院
旧県立宿毛病院 県立宿毛病院
  大井田病院
大正2年、大井田正行氏が本町で開業した大井田医院がそのはじめであり、大正5年には真丁に移転した。昭和32年9月17日、医療法人長生会大井田病院となり、院長に大井田俊朗氏がなり、昭和41年1月1日沖須賀の新築の病院に移転し現在に至っている。内科、小児科、外科、産婦人科、ベッド数30。

  筒井病院
平田町戸内の森にあって院長は筒井兄八郎氏である。昭和9年4月安沢医院の跡を譲りうけて筒井診療所を開業、昭和32年9月筒井病院となった。内科、ベッド数60。

  聖ヶ丘病院
院長田所栄氏、田所氏は、昭和30年2月1日宿毛町本町の宿毛病院跡に幡西診療所を開設、翌31年9月に医療法人祥星会田所病院となり、昭和40年2月1日押ノ川の現在地に新築移転した。精神神経科、内科、外科、耳鼻科、ベッド数260の大病院である。

  岡田医院
院長岡田泉氏、昭和11年3月1日小筑紫に開業し現在に至っている。内科、外科。

  沢田医院
院長沢田清氏、昭和16年4月宿毛水道町に開業、内科、外科、ベッド数19。

  片島診療所
院長田中亀一氏、昭和18年5月田中医院として片島で開業、昭和35年片島診療所となり現在に至っている。内科、ベッド数18。

  村上眼科
院長村上満馬氏、昭和22年10月1日沖須賀で開業、眼科、ベッド数19。

  池産婦人科
院長池定好氏、昭和23年4月本町で開業、昭和25年上町に移転、同26年類焼、移転、ベッド数19。28年土居下に新築

  川村診療所
院長川村裕一氏、昭和29年4月1日平田町戸内に開業、内科、外科、ベッド数16。

  清谷医院
院長清谷二郎氏、昭和30年9月宿毛上町に開業、内科、皮膚科、小児科。

  下田医院
院長下田大典氏、昭和38年宿毛桜町に開業、小児科、昭和47年死亡により廃止。

  松本内科
院長松本行生氏、昭和42年1月真丁で開業、48年3月本町に新築移転、ベッド数19。

  すみた整形外科
院長住田武夫氏、昭和42年4月12日本町に開業、ベッド数11。

  生野外科
院長生野達次郎氏、昭和46年11月1日真丁に開業、外科、整形外科、ベッド数19。

  国吉医院
院長国吉美知夫氏、昭和48年8月片島に開業、内科、ベッド数15。

  河野医院
院長河野発氏、大正9年頃南予から来て本町で開業、昭和40年頃から橋上診療所にも務めたが、橋上診療所の廃止以降は医院を閉鎖した。

  橋上診療所
昭和24年12月1日より国保診療所として活躍したが44年7月31日に廃止。

  楠山診療所
県立楠山診療所として昭和33年5月12日開所、昭和44年7月31日に廃止。

  沖の島へき地診療所
母島診療所は昭和36年5月1日、ベッド数2で発足、鵜来島診療所も同日ベッドなしで発足したが、鵜来島診療所は46年4月1日廃止、弘瀬出張診療所は昭和38年2月15日に開所された。医師は短期間に多く変ったが、現在は陽天和氏が昭和48年5月から島民の健康のため活躍してくれている。

  下田歯科医院 (院長下田益栄氏昭和20年死亡大正時代の医者の頃で説明したので省略)

  二神歯科医院
院長二神義昌氏、昭和9、10年頃2か年位真丁で開業していた。

  酒井歯科医院
院長酒井正作氏、昭和12年8月1日水道町で開業、現在に至る。

  本田歯科
前院長本田俊彦氏が昭和20年土居下で開業、23年真丁に移った。48年5月俊彦氏死亡、本田朝之氏が跡をつぎ現在に至る。

  栗原歯科医院
院長栗原勉氏、昭和22年1月2日片島で開業、現在に至る。

  松本歯科診療所
院長松本義雄氏、昭和22年4月真丁で開業、現在に至る。

  米花歯科診療所
院長米花豊苗氏、昭和23年9月大月町より小筑紫に移転開業し、更に昭和40年9月高校通に移転し、現在に至っている。

  前田歯科診療所
院長前田季彦氏、昭和28年6月、大正町田野々より宿毛市本町、ついで昭和38年1月萩原に移転開業、現在に至っている

  吉田歯科
院長吉田邦夫氏。昭和50年8月弘見より沖須賀に移転開業。

  松田歯科
院長松田静代氏、東京女子歯科医学専門学校を卒業し、昭和7年宿毛土居下で開業。昭和48年病没、廃止となる。

  佐井家畜診療所
所長佐井哲氏、昭和22年上町で開業、昭和42年3月本町へ移転、現在に至っている。


  薬局、薬種商
藩政時代宿毛にも薬屋があったが、小野梓の父小野節吉もその1人であった。節吉は後に士分にとりたてられたが、その小野の店に坂本鼎が勤めていた関係から後に坂本家が小野家の後をついで宿毛で薬局を経営するようになるのである。

  坂本薬局
坂本林爾の長男与三郎は金融業、酒屋、薬屋などを行なっていたが、その養子、進が明治26年薬剤師の免許を得て坂本開明堂薬局を開業、その長男太郎も昭和2年薬剤師となり、その長男信も昭和25年薬剤師となり28年より家業を継いでいる。現店主坂本信氏。

  森岡薬局
森岡家は父竹次郎の代から薬種商を営んでいたが、森岡洋氏が薬剤師となり昭和35年12月16日に真丁で薬局を開店した。

  大井田薬局
大井田健氏が昭和23年7月、弘見より片島に移転して開業、25年新町へ、30年上町へ、40年本町へと移転して現在に至っている

  依岡薬局
依岡倭文香さんが昭和41年1月25日本町で開業。

  なおみ薬局
宮尾直美氏が昭和51年11月3日上町で開業。


  薬種商
市内の薬種商としては現在、亀井薬舗、豊島薬品、美濃部薬品、和田薬品、津田薬舗、山口薬店があり薬品を販売している。