宿毛市史【近世編‐農村の組織と生活‐農産物】

農産物の種類

藩政時代における農産物にはどんなものがあったか。それについての詳細な記録は知ることができない。ここに掲げるものは安芸郡川北村(安政4年2月)の指出によるものであって、村全体の生産物と生産高を知ることができる。県内どこもあまり相違はなかったものと考えられる。
 農作物取入品柄惣数左之通
   但三ケ年平等に仕るべき筈のところ四、五ケ年不作打ちつづき去る辰年分中通りの年並に付平等一ケ年分かくの如し

1. 弐千四百九十八石八斗也
1. 六百九十石八斗三升也
    但三ケ年平等以下同じ
1. 小麦 十一石九斗七升也
1. 蕎麦 九十八石三斗四升也
1. 大豆 四十石五斗五升五合也
1. 小豆 五石五斗五升五合也
1. 大角ささげ 十五石六斗九合也
1. 二石也
1. 高黍 二石六斗一升五合也
1. 空大豆 三石七斗五升也
1. 五斗
1. 粉豆 五斗
1. 胡麻 二斗六升八合也
1. 田芋 四千三百三十荷
1. 唐芋 壱万二百六荷
1. 大根 二百荷
1. 四百七十六荷
1. 綿 九千四百十九斤
1. 煙草 五百十三斤
1. 甘庶 二干九百貫目
1. 茄子 七百荷
1. 七百五十九貫目

此外の産物として生姜、胡瓜、越瓜、フロ、インゲン、牛房、碗豆、柿などがあげられているが、まだ馬鈴薯が加えられていない。