一 | 、 | 水主 | |
1 | .本水主は上方通いの船の所有者、鰹船の所有者または鯨方頭分などで、身代よく御用銀調達など公用に努め困窮者の救済に努めた者は、本水主を名乗ることができるので願い出ること。 | ||
2 | .水主と名乗る者は右の外国内通船の所有者、諸船の沖船頭と乗組の者、鯨漁の者、鰹船の沖船頭と乗組の者など漁業を本業とするものである。間人、商人でもこれらを本業とする志の者は願い出ること。但し商札を渡されている者はそのままでは願い出ることはできない。たとえ御用銀等調達し、困窮者を救済する等公用に努力しても浦人の本業をつとめず居商、酒屋、質屋などを渡世とする者は水主号を願い出ても許可されない。しかし浦人の本業を勤めており家産を破り困窮しておる者のうち由緒正しい者は従来の名号をそのままとし、また身代よき者は本業に復し水主を名乗らしめること。 |
一 | 、漁師 網元の者は漁師ととなえること。しかし網頭であるものが本水主並のときは、身代に応じて礼服の定も暮し方に相応するよう麻上下あるいは袴着用さしつかへなく、また水夫、小漁業の者もすべて漁師ととなへること。漁は浦人の本業であり、水主役もつとめるべきである。 | |
一 | 、商人 商業をいとなむ者のうち御用銀など調達し困窮者の救済などに努力し、相応の商品を揃へ表通りに店を構へ中位の暮しの者は屋号をつかって差支へないが、行商人や裏住みの小商人はすべて商人といい、屋号をとなへてはならない。しかし水主役はつとめるべきである。 | |
一 | 、間人 浦々の本業をもたず日雇など定まった職業のない者はすべて間人と名乗ること。日雇または働者などと云ったが以後はすべて間人ということ。しかし水主役はつとめること、浦の本業として水主にもなりたい志の者が願出ることは差支へない。 | |
一 | 、廻船、市艇、諸漁船、諸網などを作ったときに子弟などの名前で船網主とする浦もあって、水主漁師間人等まじりあうて名実がわからなくなっているので、それぞれ当代の水主の名前に改めさせ、以後は子弟の名前を出すことを禁止すること。 |