宿毛市史【近世編‐漁村の組織と生活‐漁場と水産物】

沖の島の焼

夜間火光を利用して漁猟を営んだのは原始時代からのことであろう。いま「沖島弘瀬浦焼網漁来由」(『三浦家文書』)をみると、夜になって火を灯してニナ貝拾いに海に出るとおびただしく魚が集って来たので、布のようなもので取ると沢山にとれた。それで葛蔓で網をすきタブの木で丸木船をつくって火をたき漁に出たところよき漁ができたそうで、いつ頃からか大網が自然にできたのであるがその時代は明らかでない。網のことや火焼網頭などの役目などがきまって今に漁事を致しておるのであるが、古式のとおり正月元日乗組みの儀式をすることになっている、とある。
沖の島の網代については記録に多少の相違はあるが次のようである。

     沖島網代    
1. 芦西網代 古来折乗りより舟たき20艘ほど沖に候但舟たき五尋として
1. 芦東網代 地より10艘たきほど沖
1. 竹か尻網代 地より19艘ほど沖
1. うとの口網代 地より14艘ほど沖
1. 中の網代 同所より30艘ほど沖に有
1. よろい碆網代
1. 広瀬在所沖網代 地より30艘ほど沖に有
1. 小島内網代 地より30艘ほど沖に有
1. ほうの碆網代 地より八艘ほど沖に有
1. 小島後網代 地より10艘たきほど沖に有
1. 畠尻網代 地より八艘ほど沖に有
     そち釣所の名    
1. 上串崎の沖 1. 日の島出し  
1. おうだこ 1. つら打碆  
1. こいを所 1. 上沖の瀬  
     長浜網代    
1. うとの口網代 1. 中の網代、上北網代と云  
1. つきたし南網代、仔細有り    
     在所の名、碆の名    
1. 串崎鼻 1. もとの碆 1. よろいはへ
1. よろいはへの鼻 1. 中崎鼻 1. 平碆の鼻
1. 小島 1. くわんのうと 1. 白岩ほうさす碆 但与州土州の海境
1. 宇戸碆 1. 小屋の浦(土居六之進居住) 1. 茂島(番所あり)
1. とうの下 1. 大浦 1. 赤崎の鼻
1. ゑほし碆 1. ふのり碆 1. 鳥くい
1. 大わ 1. 白碆 1. 窪浦
1. 辰の口 1. 折乗(但土州与州境) 1. みさこ碆
1. 竹の尻の鼻 1. 宇戸の鼻 1. 宇戸(の)口
1. 大谷の谷口 1. すけ竹の谷口 1. 谷尻(の)谷口
1. 村松北の鼻 1. たてはえ 1. はさの谷口
1. 大小島 1. たたみはへ 1. つら打碆
1. しこく碆 1. せひらの鼻中(くろの石) 1. 宇戸の鼻
1. こくそ碆 1. 大ひらはへ  
  合名数41ヶ所    
 弘瀬より沖の碆11町    
1. 沖の碆 1. さの瀬  
1. 姫島 下碆、みさご碆
山太郎碆、塩碆
  網代 下碆網代、うの口網代
わたり網代 はけ網代