宿毛市史【近代、現代編‐明治維新と宿毛‐大江卓、岩村高俊の脱藩】

三浦休太郎を襲撃する

坂本、中岡の暗殺に海・陸両援隊は報復を企て刺客の探索を始めた。この刺客は紀州藩の三浦休太郎が、伊呂波丸衝突事件の腹いせに新選組を唆したものらしい、とのうわさを陸奥源次郎(宗光)が聞きだしたので、元凶三浦休太郎を血祭りにあげることになリ、その実行委員に選ばれた陸奥宗光・大江卓・岩村高俊・関雄之助らの陸援隊員の他に十津川の剣客中井庄五郎らが加わり総勢16人は12月7日の夜五ッ半(午後9時)三浦の寓居であった油小路花屋町天満屋に斬込んだのである。既に身の危険を感じていた三浦は、その夜新選組の土方歳三、原田左之助、斎藤一等が来合わせ酒宴を開いていた。
天満屋の二階は修羅場となリ、灯を消す者があって敵味方区別のつかない混戦となり、三浦は微傷を負うただけで助かり、かえって斬り込んだ剣客竹中は手首を斬られ、中井は即死してしまった。
この三浦は紀州藩の切れ者で、後年大江と親交を結んだ人である。