宿毛市史【近代、現代編-土佐挙兵計画-土佐挙兵計画】

挙兵ための兵器購入

挙兵のためには兵器を充実しなけれぱならない。林は岡本健三郎(元大蔵大丞)に銃器購入について相談をし、岡本は林の依頼を受けてこの事を竹内綱に話した。竹内は知り合いであるポルトガル人ローザに相談した。
これは明治7年台湾征討の折日本へ売り込もうとしていた武器が、上海銀行に質流れとなっていたのに目を付けたローザが、この「スナイドル銃」3,000挺の売り込みを後藤象二郎に伝えた事を知っていたからである。
その3,000挺購入契約が成立したのは3月のことである。代価は1挺につき15円、3,000挺で45,000円である。資金はかねて士族授産のために払い下げた白髪山の伐採事業がうまく軌道に乗らず、再ぴこれを政府に買いあげてもらう交渉を進めその代金15万円の下付を予想し、そのうちから銃器の購入資金を捻出する計画であった。ローザとの交渉に当ったのは岡本健三郎で、これに協力した島本仲道が3月13日拘留されたことなどがあり、立志社に対する政府の警戒も厳しく誉り、予期した白髪山代金も容易に下付されなかった。
林は大阪で中村貫一に委細の事情を話し、岡本と協力して銃器を準備してもらいたいことを頼み、土佐人で銃砲弾薬類の商売をやっていた中岡正十郎に、2万斤の鉛を土佐に送るよう命じた。