宿毛市史【近代、現代編-農業-戦後の農業】

農業の進歩と変化

戦後の飢餓状態はたいへんなもので、配給だけでは食べて行けなくてヤミ物資の横行があった。その間占領軍からの援助物資などもあって21年頃は何とか急場をしのいだが、その頃、農村では農地改革が行われ、多数の農民が自作農化するとともに、民主的な進歩的思想が農村に導入されて増産意欲をまし、食料増産に役立つと同時に民主的な農村の生活改善に大いに役立った。これについで力のあったのは23年に公布となった農業改良助長法であった。この法律のねらいは「能率的な農法の発達、農業生産の増大及ぴ農民生活の改善のために、農民が農業に関する諸問題につき有益、適切且つ実用的な知識を得、これを普及交換して公共の福祉を増進する」というものであった。高知県では24年農業相談所の名称で県下27か所に設置され宿毛市では平田に事務所をおいていた。
農業相談所には農業改良普及員と生活改善普及員がおり、指導的な役割を果した。農業改良助長法の目的の中の「能率的な農法、農業生産の増大」は品種、栽培法の改良や、肥料、農薬の使用法による栽培技術の進歩と、農用機械による作業能力の増大、耕地整理等による能率増進などによって目的が達成されるものと考えられるが、農業改良普及員はこれらの点について適切な指導助言を行い農業の進歩を助長する面がたいへん多かった。