市政当初に於ては、合併条件の諸整備のため、市の財政は若干膨脹を余儀なくされて、健全財政は宿毛市の市是とされていた。しかし、昭和３３年より赤字決算となり、再建計画について議会の議決を得るところとなり、昭和３６年１２月１日に財政再建準用団体の指定をうけた。

赤字の原因については、諸種の理由があるが、合併に伴う経費、旧町村における未払事業経費、山林売却等の財産収入の見込違い等があげられる。

その後赤字解消に鋭意努力し、準用団体は昭和４２年度で解消したが、また歳入歳出のバランスがくずれてきている。(昭和５０年度決算参照)特定財源の収入の少ない地方自治体にあっては、国の援助、指導を得なければなかなかやっていけないものである。

市の財政の大要を知るために、市制発足当時と昭和４０年度、同５０年度の決算を左にのせてみる。市制発足以後２１年間に財政規模は２５倍にもなっているのである。

また市発足当時の昭和２９年の決算（歳出)では２億１千３００万円であるが、４０年には８億８千５００万円、昭和５０年には５４億５千６００万円と飛躍的に上昇している。これは市財政規模の増大もあろうが、むしろインフレ的な貨幣価格の下落がこうさせたものであろう。

昭和２９年度決算

昭和４０年度決算

昭和５０年度決算

宿毛市年度別歳入歳出表