宿毛市史【発刊にさいして】

発刊にさいして

宿毛市長中西重則
宿毛市長 中 西 重 則

本市は、高知県西部の主要都邑である宿毛町及び小筑紫町並びに橋上、平田、山奈、沖の島の各村を合し、宿毛市として誕生、清流の松田川、資源豊かな宿毛湾を擁し、人の和、地の利を得て飛躍的な発展を遂げつつあります。
今、私たちのふみしめている大地には、先人の思想や習慣生活の中からにじみ出た郷土の歴史の伝承があります。
宿毛市民憲章には、「先人の残された薫リ高い文化と伝統を受けつぎ、この郷土に、住むことに誇りと喜びを感じ、子どもに夢を、青少年に希望を、おとしよりに安らぎをあたえる明るく豊かな理想のまち」を築くことをうたっておリます。
私たちが、豊かな誇り高い宿毛市を建設し、将来の進歩発展を期待するためには、郷土の歴史と伝統を重んじ、先人の業跡を正しく認識しなければなリません。広大な地域から、多くの遺跡の発見によって、宿毛は、土佐では古くから開けた集落といわれ、特に明冶維新以降は多くの人材を輩出したまちであります。悠久幾千年、歴史の歩みとそ の時どきの人々の生活を、文化、政治、経済、教育等全般にわたリ、出来るだけ平易に分かりやすく再構成することを念願とし、「宿毛市史」編さんを計画しました。史実の適確を期するこの道は、けわしく、きびしいものであリましたが、幸にして発刊の運びとなりました。
本史集成に尽力された編さん委員各位や多くのご協力頂いた方々に、深く感謝の意を表しますと共に、市民はもとよし広い範囲の方々に、本史が繙かれ、宿毛市を知る道しるべとなり、また未来へ躍動する本市発展の元標となることを願ってやみません。
       昭和51年12月20日