小夏
「隠れた私の推し柑橘」
収穫・旬期間 : 春
特徴・味
小夏は、収穫時期が3月下旬から4月中旬と短く、また栽培面積も狭い希少な果実です。高知県内の小夏の作付面積、生産量ともに宿毛市が1位です(令和元年調査)。
「小夏=(イコール)日向夏、ニューサマーオレンジ」と思われている方が多いと思います。大きな分類で言えば合っていますが、厳密に言えば、宮崎などで栽培されている日向夏と、高知で栽培されているものは品種が違います。小夏は枝変わりの変異種が多く、ひとくちに小夏と言っても、実際はその中でさらに細かく品種が分かれています。その中でも「宿毛小夏」は、宿毛市産の小夏の総称ではありません。「宿毛小夏」という品種があり、他の市町村で栽培されている小夏も「宿毛小夏」だったりします。
小夏は、程良く甘味と酸味が調和しており、すっきりさわやかな香りと食味が魅力のフルーツです。栄養成分は、ビタミンC、βカロチン、ビタミンB1やビタミンB2が豊富に含まれています。また、内側の白い 皮には食物繊維が多く含まれています。
食べ方は、りんごの皮をむく要領で内側の白い皮を残すように外皮を薄くむいて、削ぎ切りにして食べます。 白い皮には程良い甘みがあり、甘酸っぱい果汁と調和しておいしくいただけます。
歴史
小夏の始まりは、江戸時代・文政の頃(1820年頃)に、宮崎県宮崎市の真方安太郎氏宅で偶然自生しているのが発見されたことでした。その後、明治20年に明治政府の中央官庁であった「農商務省」(現在の農林水産省)の技師、田村利親(たむらとしちか)氏によって、正式に和名登録されました。標準和名は「日向夏蜜柑」。田村利親氏は、元々高知が故郷だったため、その後地元に帰ってからこの樹を移植し高知県でも広まりました。高知では小さい実がもてはやされたことから、「小夏」という名が広まり、定着したようです。その後、食味や収穫時期などが異なる変異種の発見、品種の登録に至り、高知で独自の美味しさを発展させることとなりました。
生産のこだわり
冬を超えての出荷となるので、寒さ対策のため小夏を一つ一つ丁寧に袋で包みます。宿毛小夏は花が咲いて実がなるまで1年ほどかかります。宿毛の自然の恩恵をたっぷりと受けながら身を熟すことで、バランスのとれた美味しさになります。