食卓彩るオクラの栽培
独特の粘り気をもち、健康野菜としても近年人気が高まっているオクラ。ここ宿毛市で20アールを栽培する谷本秀喜さん・殊子さん夫妻のハウスでは、5月に入ってから収穫をスタートさせました。
アーリーファイブ
谷本さんが育てているオクラは、極早生の「アーリーファイブ」という品種。実の大きさが8~12センチサイズのものを収穫します。淡い黄色の大きな花が咲き始めたら、収穫のサイン。落ちきれず引っかかった花や余分な葉を取り除きながら、「オクラの成長を常に止めないことが大事。人間と同じで、そこが一番難しい」と笑顔で話す谷本さんが印象的でした。
オクラの汗
オクラに近寄って見ると、とっても小さな透明の玉がついていることがあります。これは若いオクラには特に多く、分泌物がゼリー状になった「オクラの汗」と呼ばれるもの。茎や葉の裏にもついている光る粒に、生命の力強さを感じました。
こんなに元気なオクラですが、意外なほど肌が弱くて、うぶ毛がケバ立ったり他のオクラに刺さっただけで、傷んでしまうのです。収穫で使うハサミもきちんと手入れしないと、その切り口から傷ができてしまうとのこと。谷本さんは収穫したコンテナを地面へ置かず、すぐに軽トラの荷台へ乗せ、シートをかけて保護しているほどでした。
それにしても、花ざかりのオクラハウスは、まるで切り花を育てているような華やかさ。花の美しさと実の繊細さは、園芸作物の中でも群を抜いています。谷本さんのハウスでは、7月20日ごろまで収穫が続く見込みです。
オススメは「オクラのお好み焼き」
谷本さんのオススメの食べ方は、「オクラのお好み焼き」。生のオクラを小口切りにし、小麦粉を水で溶いて、イカや干しエビなどと一緒にオクラを入れて少し固めに混ぜ合わせます。ホットプレートに生地をのせたら豚肉ものせて蓋をして焼きます。ソースやマヨネーズ、削り節をかけて出来上がり。オクラの粘りが生地をふっくらとさせ、冷めてもふわふわ食感を楽しめます。オクラは温かいもの、爽やかなもの、どれも簡単に作れて食卓が引き立つ、驚きの変身ぶりを発揮してくれるのです。