今が旬の「土佐文旦」!!!
あまり知らない「土佐文旦」のひみつについて・・・
今回取材をさせていただいたのは、今が旬を迎える宿毛市の「土佐文旦」を全国へ出荷しているJA高知県宿毛支所の「みかん選果場」です。
土佐文旦は他の柑橘と比べて大きく、黄色くなめらかで果皮は分厚いです。
しかし、その果肉は粒が大きくぷちぷちと特有の食感があり、酸味と甘みのバランスが絶妙なので、高知県民だけでなく全国の柑橘ファンを魅了しています。
誰もが知りたいのは美味しい文旦の見分け方だと思います。
「大きい文旦ほどおいしい」と思われることが多いですが、実は「玉が小さいほど味が濃い」ものが多いそうです。
その中でも、「文旦の形が綺麗な楕円のものが美味しい」と、JA高知県の方に教えていただきました。
頭の方が尖っている富士山型のものよりも、甘み・酸味・苦みのバランスが良いそうです。
今年の宿毛市の文旦は、全体的に小ぶりなものが多いですが、その分味が濃くおいしいものばかりです。
全体的に小ぶりになってしまった要因として考えられるのは、昨年12月~今年1月の年末年始頃に気温が低すぎたことで木が弱ってしまったのでは・・・と言われています。
土佐文旦は気温が暖かいと味や大きさは良くなりますが、色味があまり出ません。
気温が低くなると、綺麗に色付きます。
高知県では、「土佐文旦」の産地は他にもあり、その多くは年内収穫をして野囲い(のがこい)などで追熟させますが、宿毛市では温暖な気候を生かし、木に実をつけたまま越冬し、完熟させることができます。
※野囲いとは、地面に少し穴を掘り両端を板で囲います。底にポリシートを敷き、その上にポリコモを敷布団のように敷いて文旦を布団の上に寝かせます。そしてポリシートを被せて、その上にさらに藁を被せて覆います。この状態で1~2か月ほど熟成させることです。
宿毛市の土佐文旦には、「だるま文旦」というブランドがあります。
これは、味のバランス・見た目などの一定の基準を満たしている秀逸品のみが「だるま文旦」として出荷されます。
「だるま文旦」を含む宿毛市の土佐文旦は主に関西方面に出荷されます。最近では東京などの関東への出荷も増えているそうです。
宿毛市内で購入する場合は、「JAグリーンはた宿毛店」などで購入できます。
最後に、JA高知県の方に「普段食べている文旦の種を自分で地面に植えても文旦は実りますか。」と質問してみたところ、文旦は芽が出てくるとのことでした。
実際に答えてくれた方は、自分で庭に埋めて2年経ったけれど立派に成長してきているそうです。
しかし、普段私たちが食べている土佐文旦は、花が咲いたら農家の方々が花の一つ一つに「小夏」の花粉を付けて受粉させているため、それを行わなければ本来の土佐文旦にはなりません。自分で育てた文旦が実っても、形や味が「土佐文旦」とは異なるそうです。
それでも、自分で育てた文旦の成長を見守って収穫できれば楽しいかもしれませんね。
普段食べている文旦でも、今回たくさんのことを知れたことで、楽しみ方も増えそうです。
皆さんも、普段食べている文旦を手に取ったときには、美味しい文旦の見分け方を思い出して食べてみてください。