宿毛は、高知県沿岸の最西端にある小さな港町で、足摺宇和海国立公園内のビーチと島々への玄関口です。宿毛は、江戸時代 (1603–1867年) には城下町であり、江戸時代からの歴史的家屋が複数残っています。宿毛には、四国遍路八十八ヶ所霊場の1つである延光寺 (724年に建立) があります。延光寺は、強い影響力を持っていた僧侶、空海 (弘法大師、774–835年) が、9世紀に滞在した寺院の1つです。空海は、日本に密教をもたらしたことで知られています。
この地域は、日没時の太陽が伝統的なだるま人形のような楕円形になる「だるま夕日」で有名です。この夕日は稀で、見た人にはご利益があると言われています。この現象を見るのに最も適した時期は、海から立ち昇る温かい水蒸気が夕日の光を屈折させる、11月中旬から2月上旬にかけてです。「だるま夕日」を見るのに最適な場所の1つは、大島西部にある咸陽島公園です。大島には宿毛から橋で渡れます。
沖の島と鵜来島は、高知県で2つだけの有人島です。これらの島周辺の海域には、卓状のフタマタハマサンゴ (Porites heronensis) とシコロサンゴ (Pavona decussata) の大きなサンゴ礁があり、スノーケリングやダイビングの場所として人気です。沖の島と鵜来島への船は1日2便で、宿毛の片島港から出発します。
町のかつての武家屋敷地区にある市立宿毛歴史館は、宿毛の歴史に関する情報を有しています。江戸時代の町の様子の縮尺模型は、この地域がどのように変化したかを表しています。先史時代である縄文時代 (紀元前10,000年–紀元前300年) から今日までの町の歴史を、英語表記のある展示でたどることができます。宿毛歴史館から道路を渡ると、明治時代 (1868–1912年) に大臣を務めた林有造の旧宅である林邸があります。この邸宅には、隠し階段や見張り部屋など、当時の政治家の人生に潜んでいた危険を反映した特徴的な機能が備わっています。この邸宅は、カフェなどの現代的な機能をいくつか加えつつ、本来の特徴の多くを保存するように修復されました。