百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオとは
百日せき:百日せきは百日咳菌によって発生します。名前のとおり激しい咳をともなう病気
で、一歳以下の乳児、とくに生後6ヵ月以下の子どもでは亡くなってしまうことも
あります。
主に気道の分泌物によってうつり、咳のために乳幼児では呼吸ができなくなるため
に全身が青紫色になってしまうこと(チアノーゼ)やけいれんを起こすことがあり
ます。また、窒息や肺炎等の合併症が致命的となることがあります。
ジフテリア:ジフテリアはジフテリア菌により発生する疾病です。その発生は最後に報告され
たのが、1999年であり稀になりましたが、かつては年間8万人以上の患者が発生
し、そのうち10%程度が亡くなっていた重要な病気です。
主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。この毒
素が心臓の筋肉や神経に作用することで、眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)な
どの麻痺、心不全等を来たして、重篤になる場合や亡くなってしまう場合があり
ます。
破傷風:破傷風は、破傷風菌により発生し、かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気で
す。以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発
生しています。
主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし、毒素を通して、さまざまな神経に作用しま
す。口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の 障害など
を経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができ
なくなったりし、亡くなることもあります。
ポリオ:ポリオは、ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染しま
す。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人
に感染します。
成人が感染することもありますが、乳幼児がかかることが多い病気です。
ポリオウイルスに感染しても、多くの場合、病気としての明らかな症状はあらわれず
に、知らない間に免疫ができます。しかし、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入
り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、麻痺が一生残ってしまうことがあります。
四種混合ワクチン
皮下注射により接種します。ワクチン接種により、百日せきにかかるリスクを80~85%程
度、ジフテリアにかかるリスクを95%程度減らすことができると報告されています。また、
ポリオは99%、破傷風は100%近い方が十分な抗体を獲得できるとされています。
接種回数
4回
標準的な接種時期
第1期初回接種:生後3か月から生後12か月までの間
(3~8週間の間隔で3回)
追加接種:1期3回目終了後1年から1年半の間に1回
副反応
接種部位の副反応として、紅斑、硬結、腫れ等がみられました。接種部位以外の副反応と
して、発熱、気分変化、下痢、鼻水、せき、発疹、食欲減退、のどの赤み、嘔吐等がみられ
ました。重症な副反応として、極めてまれにショック、アナフィラキシー、血小板減少性紫
斑病、脳症、けいれん等がみられることがあります。
通知方法
第1期初回接種:生後3か月になる月の前月に、ハガキでご案内します。
追加接種:3回目の接種を行ってから1年後になる月の前月に、ハガキでご案内しま
す。
※ 各予診票は、予防接種手帳の中にあります。