押ノ川の市山、通称一里塚という所に高さ298cmの大きな石の塔が建っている。 正南には南無妙法蓮華経とあり、四面にその由来や経文を刻んでいる。この経塔は、 柏島の広布山円明院法蓮寺の住職日教上人が願主となり、仏祖の徳に報じ、 国家の恩に酬いるために建てた三基経塔の中の一つである。
岡郡五台山麓と、安芸郡甲浦にあると、この塔に記されており、 昭和54年の調査で確認され、県の史跡に指定された。今から約300年前の昔に、 こんな大きな経塔を土佐の西と東と中央の3ヶ所に、 柏島の坊さん一人で建てたというのはなかなかの大事業であったはずである。