あとがき
宿毛市では、明治100年を記念して、明治100年祭施行協賛会を組織し、諸種の記念事業を行うことになったが、「宿毛人物史」の編集もその事業の一つとして計画された。
編集部は、部長立直正晟、部員林道太郎・竹村照馬・松沢卓郎・松沢俊彦・橋田庫欣の6名によって組織されることとなり、それぞれに分担をきめて資材集めにとりかかったのが本年2月のことである。
なんといっても、宿毛市ほど明治維新以来偉材を出したところはなく、人の多いことによる人選に苦しんだのであったが、まず本書におさめる人々はこれくらいにとどめ、残された人々については、いずれ編集されるはずの、「宿毛市史」に譲ることとした。
「宿毛人物史」編集の中心的存在であり、熱心な郷土史家であった竹村照馬氏が、このことの計画されて間もなく病にたおれ急せいされたことは、かえすがえすも残念であり、謹しんで氏のめい福を祈るものである。
なお、資料、史実、編集等に適切な助言をいただいた大井田正行氏。貴重な資料を提供して下さった多くの方々に感謝のまことを捧げたい。
また、執筆は各部員の分担によるものとはいえ、文体の一本化、其の他、加筆、削除、訂正等のことは全部、松沢俊彦氏にその労をおねがいした。このはんさな仕事を快くひきうけられ、一筋に力を注がれた同氏にこれまた心からなる感謝の言葉をおくりたい。
こうして、「宿毛人物史は」世に出ることになったが、この書によって、宿毛への理解愛着がますます深まり、後進をして奮起せしめるものがあれば、この書編集の意義もまた深いものがあるということができよう。多くの人々のご愛読をこいねがってやまないしだいである。
昭和43年8月1日
宿毛明治100年祭施行協賛会
宿毛明治100年史(人物篇)編集部長
立 道 正 晟